最近準惑星エリスについて検索することが多かった。その中で面白いなあと思った文章が先日の自分の記事に転記したものである。
136199 Eris 西洋占星術からみた、とある文章。 - bluerose’s diary
さて、エリスについて改めて紹介しよう。
エリスはギリシャ神話で不和と争いの女神とされる。軍神アーレスの妹とも言われる。
wikipedeiaによれば、トロイア戦争のきっかけとなるある出来事の重要な神の一人である。
『キュプリア』
散逸した叙事詩『キュプリア』によると、エリスは女神テティスとペーレウスの結婚式に招かれなかった腹いせに、「最も美しい女神に」と記した黄金の林檎を宴の場に投げ入れ、ヘーラー、アテーナー、アプロディーテー3女神の争いを引き起た。その結果、3人の女神はトロイアの王子パリスによる裁定(パリスの審判)を仰ぐことになり、トロイア戦争の遠因を作った。
このトロイア戦争なのだけど、もともとはゼウスが人間の人口を減らしたい、ということで、計画的に仕組まれたものらしいのだが、そのゼウスが裁定者に選んだパリスとはいかなる人物かというと。
アレクサンドロス(後のパリス)を産むとき、ヘカベーは、自分が燃える木を生み出し、それが燃え広がってイーリオスが焼け落ちるという夢を見た[1]。ヘカベーが夢占い師にこの夢のことを告げると、彼は「この子は災厄の種になる」として、殺すことを勧めた[1]。そこで、プリアモスは家来に、アレクサンドロスを連行して殺すように命じた。家来はアレクサンドロスを殺すにしのびず、イーデー山に捨てた。捨てられた子は、羊飼いに拾われて、彼からパリスと命名されて育てられた
ということで、不吉な予言をされてしまったために、親から疎まれて殺されそうになったところを、殺されずにすみ、羊飼いに拾われて育てられたという出自。別に悪いことしたわけでもないのに、母親がパリスを生むときに変な夢を見て、夢占い師に聞いたら、「禍の種になるから殺せ」とか言われちゃって。理不尽な感じ。
こういう人物を裁定者としてゼウスは指名したわけだ。
わたしはこう想像した。
の中で触れられていたように、知恵はパラスアテナ、組織(権力)はヘラに象徴されるとして、快楽としてアフロディーテが示されている。
このことを考えると、知恵で生き延びてきたわけでもなく、組織からは殺されそうになった人間が選ぶのはやっぱり快楽のような気がするのだが。ここにゼウスの意図があるとするならば。
パリスは追いやられた人間である。
追いやられた人間が求めるものはなんだろうか?
アフロディーテは美と愛の女神でもある。
エリスは不和の女神というけれども、光のあたらない部分をみんなに知らしめた結果が不和になるんだ、ということなのかもしれない。
人間は大抵、自分の受け付けないようなものは隠したり追い出したり、見ないようにしているから。
ここまで書いて、自分は少し感慨深くなった……
しかし、アフロディーテもエリスに劣らずなかなかにえぐいことすると思ったのはたぶんわたしが人間だからであろう(苦笑
こう考えると、どの女神が勝ち取っても、なんかえぐい報酬の様な気がして、どのみち戦争になったんだろうなあ。とは思った。人間の愚かさなのかもしれないが。