木星(ジュピター)には4つの大きな衛星がある。ガリレオが見つけたのでガリレオ衛星と言われている4つの衛星には同じくギリシャローマ神話に出てくる存在の名がついてる。
この4人の神話を読むと面白いことに気づく。
エウロパはどこぞの王女でゼウス(ジュピター)が牛に変身して彼女に近づきさらっていく。エウロパはそのままゼウスのところで暮らす。
ガニメデはトロイアの王子の一人で、やはりゼウスが鷲に化けて彼をさらっていく。ガニメデもゼウスのところでお給仕なんかしながら暮らす。
イオ。ヘラの所の女神官とも、河の神の娘とも言われている。ゼウスに愛されるもヘラの嫉妬でゼウスがイオを牛にして隠すのだけど、見つけられて監視される目に。やっと抜け出して逃げ続けエジプトあたりで元の姿に戻れたという。
そして、カリスト。アルテミスに仕えるニンフ。これがですね、ゼウスの非道(っていうか頂点の神に非道といっても通じないがw)により男の子を身ごもる。しかもアルテミスに憎まれて熊の姿に変えられて森の中をさまようことに。生んだ男の子がまたカリストが変化させられてる熊を見つけてしまいそれを討ってしまったのだからさあ大変。いそぎ彼も熊に変えられて親子で星空に挙げられたという。
私はわりとギリシャ神話が好きで読んでいたのだけど、ガリレオ衛星がらみで神話を並べてみると、人間社会の世知辛い行いがここに現れているようでちょっとびっくりした。
エウロパとガニメデは身分の高い人たち。ゼウスは動物に変身して彼らに近づきされっていくが、エウロパさんもガニメデさんも、人間社会(というか王朝なんでしょうな)に飽き飽きしてたのか、そのまま天上で暮らすことを選ぶというセレブな感じ。
一方でイオさんはこの世から少し離れた神々の世界で生きる人だし、カリストに至ってはニンフ、つまり人間ではない。身分は人間社会では無きに等しい感じ。こういう人たちに対するゼウスの傲慢(何回もいうか最高神に傲慢と言っても通じないw)で非道な仕打ちに、曲がりなりにも人間である私は「そりゃないよ~ゼウスさん」と言いたくなる感じがした。
こういう身分の違いで随分扱いが違うこと。
人間社会の反映なのか、神々の世界が人間社会に反映されてるのか、なんともいえないけど、変な発見だった。