bluerose’s diary

基礎疾患視点を中心に日々感じたこと

パニック発作

パニック障害という症状があるが、私は若いころほとんどそういうものとは無縁だった。一度20代前半の頃に、バスの中で突然冷や汗をかいて気が遠くなったことがある。かなり気持ち悪くて、このままぶっ倒れてしまうのではないかと思ったが、なんとか停留所についてバスを降り、歩きだしたら治った。この経験が今思えばパニック発作的だったな、と思うが、あとはそれらしいものはない。

 

ところが、精神科に通いだして、服薬生活をはじめて数年。パニック発作的なものがよくあらわれるようになった。一番頻度の高いのが夜中に突然動悸がして緊張し、眠れなくなるというもの。当時睡眠導入剤を飲んでいたが、それが効かないときがあって、そんなときは非常に恐ろしくなったけれども、そのまま我慢しているとすっと収まってくるので、とにかく、薬を増やせない状態でパニックが起こった時には、これでやり過ごすしかなかった。

あと、その当時の昼間のことだが、就職のために筆記試験を受けにいったことがある。机に座って、開始の合図で突然、頭が真っ白になり、試験が全くできなくなった。学生の頃はこんなことが一度もなかったので、このとき、自分は本気でもう働けないかもしれないとちょっと絶望した。

 

それからまた数年が経過して、どうも薬そのものの効能が不安定になってきたために、思い切って断薬したころのことだ。就職先を探していたが、先のパニックが頭をよぎり、筆記あるところはまずいと思い、面接だけのところにした。そこは首尾よく就職できたのだが、現在は勤めていない。

 

夜中のパニック発作は断薬してから、あら不思議。今のところ一度も起こっていない。これはかなりうれしいことではあった。

 

さて、就職。ここはせっかくなのでなにか資格でもとろうかと、事務系の資格講座に通うことにした、その初日のこと。

机に座って授業が始まったとき、あのパニック発作がやってきた。頭が真っ白になって緊張し始めたのである。昔の就職筆記の失敗を思い出し、これは通えないのではないかと恐怖したが、とりあえず、授業は講義を聞くだけで、あと簡単な練習問題をするだけだったので、ずっと座っているうちに落ち着いてきた。落ち着くまでに一時間くらいかかったかもしれない。

初日がそんな感じだったので、次のときもちょっと緊張したけれども、少し慣れたのか発作にはならなかった。それからあまり発作のことが気にならなくなって、普通に講義を受けられるようになる。

ただ、ミニテストのときとか少し頭真っ白になるときがあって、資格試験のときまでになんとか慣れて通常意識で挑みたいところだと思っている。

 

こうしてパニック発作のことや、あとこの記事には書いてないけれども、謎の幻想やイメージや妄想が降りかかる発作のことを振り返ると、あの、分析心理学のカールグスタフユングは偉大な患者だったと思う。(医者でないところに注意)

子どものころに神経症で不登校になり、勉強すると発作でなにもできなくなっていたのが、あるとき、このままじゃだめになると、発作の中で勉強をしているうちに、克服したとか、第一次世界大戦前の頃に起こった、大量の幻覚発作に耐えて、生活を続けていたということ。その期間なんと4年!

 

なんでも気合で克服できるとは思わないけれども、向精神薬のない時代、確かにその病的な症状を克服した人物がいたということ。

ユングの偉大さは学問より、こうした体験を公開し、同じ症状に苦しむ人々に克服の可能性を示したところにあると思う。