私たちは夢や空想や想像といった意識の中の物語を知覚できるが、そういう物語の中の存在とコンタクトを取っていたときのこと。
空想の中の女の子は昔腹が立ったこと、そういうものを一生懸命しゃべっている。
気が済むまでしゃべった後に、こちらを確認するように
「リアルは私を大切にしてくれるのかしら?」
と呟いた。
世間では生きていくことに対していろんな考え方があるけれども、わりと支持される考え方の一つに
「現実を大切にする」
というのがあると思う。
わたし自身も物事がうまくいかなくなってるなあ、と感じたときはこの言葉を思い出す。
だから、件の女の子がいきなりそういう言葉を語った時、わたしはちょっとハッとして、現実を大切にしようと思ったとき、自分の中の夢や想像をどう扱っていたかまるっきり覚えていないことに気がついた。
一方で、リアルという言葉には「あるがまま」「現実感、実感」という意味がある。
女の子はもしかすると、現実生活を自分自身をあるがままに生きようとしたときに感じるあの不安を私に教えてくれたのかもしれない。